広島県立障害者療育支援センターについて

所長ご挨拶

現在の、療育支援センターの前身であります、旧心身障害者コロニー松陽寮が創設されたのが、1981年(昭和56年)、重症心身障害児施設わかば療育園がスタートしたのが、1983年(昭和58年)のことです。施設の歴史は、40年近くになりました。

その間、障害者福祉は大きく変化してきましたが、『障害者と共に生きる文化を創造し発展させます』という理念のもと、利用者の権利を守り、利用者本位のサービスを提供することに努めてきました。

個別ニーズに基づく支援、利用者が有している力を維持・向上できるための適切な支援、自己決定・自己選択できるような支援等を基本に、そしてなにより一人一人が(を)一人の人間としてリスペクトされる(する)存在であるという権利を有していることを職員間で共有し、医療・福祉サービスの向上に取り組んでいます。

これからも重症心身障害から発達障害を含む、幅広い方々に対して、細やかな、血の通った療育・支援を、新しい時代に即して切り開き実践していきたいと思っています。

広島県立障害者療育支援センター
所長 村井 拓夫(むらい たくお)

理念

障害者と共に生きる文化を創造し発展させます。

行動目標

重い障害がある人も、豊かで快適な生活を送ることができ、その人らしい意義深い人生を全うできるように、必要なあらゆる支援を行います。

基本方針

  • 生命を尊重し、超重症児や最も重い障害者を受け入れます
    生命の尊厳を何よりも重視します。最も重症とされる人を積極的に受け入れます
  • 障害がある人の人権を守ります
    障害がある人たちの基本的人権が十全に保障されるように、職員自身の人権感覚を常に検証して支援に臨みます。また、広く社会に向けて、障害者の人権が尊重され、自立や社会参加が実現できるように、不断に働きかけます
  • 利用者本位の生きる喜びを追求します
    利用者一人ひとりの個性を尊重し、その意志・感情をプロの感性で察知して、その人らしい生活が送れるように、日常の支援を工夫します。また、より豊かな生きる喜びを享受できるように、心身の機能の発達・成長を促し、機能低下を防止します。
  • 家族を支え、人間関係の拡がりを図ります
    家庭や地域社会で、施設に入所しても、家族と共に生きることが続けられるように支えます。また、重い障害がある人の、人の心を癒し潤いを与える力を生かして、ボランティアなど家族以外の人々とも広く有意義な交わりがもてるように配慮し支援します。
  • 全職員により事故防止を徹底します
    事故防止は全職員にとっての日常的な最重要課題です。異常を察知する感性を磨き、軽微と思われる未然の事故であっても軽視せず、より大きな事故を防ぐために、原因を分析し、再発を防止するシステムを創出し実行します。
  • 地域在宅生活支援の拠点として開かれた施設を目指します
    施設が閉鎖的になることを細心の注意で防ぎます。情報を積極的に開示し、利用者・保護者等の評価も進んで受けて、あくなき改革を追及します。また、地域在宅福祉のために開かれた拠点として、障害者の地域在宅生活支援のための事業を積極的に展開します。
  • 対話と相互信頼に基づいたチームワークを形成します
    常に傾聴と対話に努め、充分なコミュニケーションに裏打ちされたチームワークを尊重し、相互評価・相互理解を通じて相互信頼を形成します。利用者や家族と連帯するとともに、職員自身も働き甲斐、生き甲斐を実感できる職場作りを目指します。
  • 上質のサービスのための自己研鑽に努めます
    高い専門性に基づく医療・福祉のサービスが提供できるように、職員全員が常に自己研鑽に努めます。豊かな人間性を発揮するために感性を磨き知性を養い、正しい知識・技術、高度なホスピタリティやコミュニケーション能力・実践的対応能力を修得するように自己を練磨します。
  • 健全な施設経営を構築します
    無駄な出費の検証と経費の削減を行い、正当な事業収益の拡大を図り、職員全員が経営感覚をもち、健全な施設経営を構築します。

施設の設置と背景

(1)設置の目的

昭和50年3月策定の「心身障害者コロニー建設基本構想」によれば、設置の目的として心身障害者コロニーは、「既存の心身障害児(者)施設と連携を図りつつ、一般社会への参加及び家庭生活が困難な最重度知的障害者、重症心身障害児等の永久庇護と完全入所の機能を果たすとともに、研究及び職員養成機能を併せ持った総合施設とするものである。」としていました。

入所の条件としては、

  • 一般社会への参加及び家庭庇護が困難であること

  • 施設側の条件として、永久庇護と完全入所の機能を果たすこと

を定めていました。
当時、既に設置されていた知的障害者施設は、知的障害者の指導、訓練を実施してその社会復帰を援護する機能を中心としていましたが、社会復帰が困難な最重度の知的障害者、重症心身障害児等に対する恒久的援護態勢についての整備は、広島県の場合、他県に比べかなり立ち遅れていたため、施設入所の増大する要請に対応するためにも、保護者等の将来への不安解消等の視点からも、緊急を要する課題でした。

【当時、設立を陳情された保護者の方も現在、先頭に立ち活躍されています。】

こうして、心身障害者コロニーは県が設置し、社会福祉法人広島県福祉事業団が受託運営することとなりました。
全国的に様々なタイプのコロニーの中で、広島県立心身障害者コロニーは、最後にできたコロニーであり規模ももっとも小さいものです。これは、従来設置されてきた総合的な大規模なコロニーのイメージとは異なったものであり、実状に応じた運営体制を確立しようとしたものです。

(2)施設の概要

心身障害者コロニーは、自然、社会及び環境的な条件に恵まれた地域に設置するものとし、特に、対象者が心身障害児(者)であることから、

  • 地元住民の協力が得られる。

  • 広大な土地が確保できる。

  • 県中央部に位置し、主要交通路に近い。

  • 病院、大学等関連機関と連携が取りやすい

等から東広島市八本松町米満となりました。

当初の構想としては、

最重度知的障害者援護施設…定員200人
重症心身障害児施設…定員160床
知的障害者授産施設…定員50人
総合管理棟
その他附属施設

で構成することとしていました。

これに基づいて、知的障害者更生施設「松陽寮」(定員80人)が昭和56年9月開設、重症心身障害児施設「わかば療育園」(定員40床)が昭和58年4月開設され、さらに、昭和61年10月「松陽寮」に定員を80人増設し160人としました。その後増設されないまま今日に及んでいますが、平成21年4月重症児の療育の必要性、入所待機者のニーズに対応するために「わかば療育園」の入所定員を10床増床し、50床となりました。なお、平成23年3月に短期入所をより積極的に受け入れるために、短期入所専用として5床増床しました。
また、松陽寮入所支援においては、国の福祉サービスの基盤整備の指針を受けて、入所者7パーセントを地域生活へ移行することとし、入所定員を148人としました。

(3)見直しの背景

心身障害者コロニーの整備基本構想・基本計画の策定から、

  • 在宅福祉の充実と在宅志向。

  • 出生率の低下、障害の予防、早期発見。

  • 民間社会福祉施設の整備充実

などコロニーを取り巻く環境が大きく変化しました。
見直しに当って、社会情勢や福祉のニーズの変化、民間活力との調整、将来予測については、その状況により検討することとし、計画は固定化するものでなく、今後たえず需要の動向を見極め柔軟に対応することとなりました。

(4)今後の施設運営

新しい障害者基本計画において、「共生社会」を目標に、障害者の施設から地域生活への移行の推進と、施設の在り方を見直し、真に必要なものに限定した入所施設の整備などが施策の方向として示され、これまで入所施設に依存してきた考え方を大きく変えるものとなっています。
このような中で、宮城県立船形コロニーの廃止・分散化、国立のぞみの園や長野県立西駒郷における入所者の段階的な地域生活移行が行われているなど、全国的に知的障害福祉基盤の整備や知的障害者福祉に関する考え方が変化しました。
広島県立障害者療育支援センター松陽寮は、障害者支援施設として、本来の役割を果たすために、現在の運営内容を見直し、「利用者本位の支援と地域生活移行への流れに沿った新たな事業」を展開します。

わかば療育園は、NICUなどの周産期看護・リハビリテーションの充実により人工呼吸器による呼吸管理の必要な、いわゆる「超重症児」が近年増加しており、重症心身障害児施設の医療体制の充実や重度化に対する心身機能の衰えに対応する生活支援の必要性は、ますます高まっていますので、その体制整備を行います。

(5)複合施設としての管理・経営体制

県立社会福祉施設の指定管理者制度の導入、障害者自立支援法による新たな事業体系への移行を踏まえ、松陽寮では、重度・最重度の知的障害者を対象とした運営を行ってきましたが、利用者の滞留化、高齢化、行動障害等多様化が進み、日課、支援内容、グループ編成、健康管理等更生施設としての機能を見直し、特に、高齢の重度知的障害者の専門的ケア、行動障害等を有する重度知的障害者の専門的ケア、医療ケアのできる機能を持った施設へと転換を図っていきます。

単独施設では果たしえない機能を発揮し、新たな役割を果たす体制とすべきであり、そのためには、県内の関係機関とネットワーク化を図り、地域生活支援の拠点施設としての機能を持たせることにより、県内の心身障害児(者)の情報や相談を把握し、施設の有効活用の促進や適正な判定、相談業務が実施できる体制を整備します。

地域で生活している障害者のセイフティーネット機能を整備するとともに、障害者本人及び家族の求められる福祉サービスに応えていくには、関係する市町はもとより関係機関が、それぞれの立場で望まれる生活の実現をより具体的なものにするために、相互の連携をいかに図るかが重要なポイントとなります。

今後は、福祉の実施主体が県から市町になったことから、より効率的な事業展開や現在まで培ってきたノウハウと施設機能を、関係機関と連携しながら、障害者等が地域で安定し継続して生活ができるよう働きかけていきます。
また、その相談・支援システムが総合的に機能するよう地域における、それぞれの役割と分担を相互に位置付けられるよう、連携強化を図っていきます。

沿革

昭和50年 3月
大規模社会福祉施設整備基本構想策定
昭和52年 3月
大規模社会福祉施設整備基本計画策定
昭和55年 10月
心身障害者コロニー松陽寮開設準備室設置
昭和56年 8月
心身障害者コロニー松陽寮落成式
昭和56年 9月
心身障害者コロニー松陽寮(定員80人)運営受託
昭和57年 10月
心身障害者コロニーわかば療育園開設準備室設置
昭和58年 4月
心身障害者コロニーわかば療育園(定員40床)運営受託
昭和61年 10月
心身障害者コロニー松陽寮定員増(80人から160人に増)
平成11年 10月
重症心身障害児(者)通園事業(B型)開始(5人)
平成15年 4月
心身障害者コロニー組織改編、障害者デイサービス事業開始
平成15年 7月
児童デイサービス事業開始(定員10人)
平成17年 10月
松陽寮自活訓練加算事業開始
平成18年 4月
広島県公の施設における指定管理者に指定
利用料金制度導入
平成18年 9月
地域支援課設置
平成18年 10月
障害者デイサービス事業を障害者自立支援法による生活介護事業所(定員20人)へ移行
指定相談事業開始
平成19年 4月
障害者療育支援センターと名称変更
知的障害者更生施設松陽寮が障害者支援施設松陽寮として、生活介護事業(定員174人)
自立(生活)訓練事業(定員6人)
施設入所支援事業所(定員160人)へ移行
平成20年 4月
施設入所支援事業所定員減(160人から154人に減)
共同生活介護(ケアホーム)事業開始(定員8人)
平成21年 4月
施設入所支援事業所定員減(154人から148人に減)
生活介護事業定員減(174人から168人に減)
わかば療育園定員増(40床から50床に増)
児童デイサービス事業定員増(10人から20人に増)
平成23年 3月
わかば療育園短期入所専用ベッド5床増(50床から55床に増)
平成24年 4月
児童福祉法等の改正により、わかば療育園は重症心身障害児施設から医療型障害児入所施設(療養介護を含めて定員50床、短期入所5床)に変更
重症心身障害児(者)通園事業(B型)は、在宅の重症心身障害児(者)を主たる対象に児童発達支援、放課後等デイサービス及び生活介護を行う多機能型事業所(定員5人)として『わかば療育園きらら』に変更
児童デイサービス事業は、発達障害児を主たる対象に児童発達支援(定員10人)、放課後等デイサービス(定員10人)及び保育所等訪問支援を行う多機能型事業所として『わかば療育園はみんぐ』に変更
松陽寮において、一般相談支援事業(地域移行支援)及び特定相談支援事業(計画相談支援)を開始
わかば療育園において、障害児相談支援事業を開始
平成26年 4月
ケアホーム『たいよう・ひまわり』は、共同生活援助(介護サービス包括型)に変更
平成27年 4月
グループホーム『たいよう・ひまわり』に名称変更
平成29年 3月
グループホーム『たいよう・ひまわり』事業休止
平成29年 4月
生活介護事業『おはよう』の定員を15人に変更